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パステルチャイム3 バインドシーカーパステルチャイム3 バインドシーカー
(2013/02/15)
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OHP
批評空間の点数:40点


 【注意喚起】所謂処女厨及びそれに類する方は決して手を触れないで下さい。

 一口に処女厨と言ってもその立場は統一されたものではなく、単純にヒロインが処女で無いと嫌な人からヒロインに主人公以外の男性が性的接触を受ける、ヒロインのあられもない姿が他者の目にさらされる、ヒロインに過去好きな人が居た等々人によってNGの基準は様々ですが、まあそういうものに嫌悪感を抱く人はこの作品には手を触れないほうが無難だと思います。そういったシーンがかなりの頻度で登場しますので。
 ちなみに例に上げたパターンは全て出てきます&サブヒロインに限って言えば非処女の方が多いです。

閑話休題

 大帝国だの闘神都市3だの人気シリーズの三作目が妙に縁起悪いアリスソフトという事で若干心配していたんですが、残念な事にその不安が見事に的中した出来の作品でした。
 まずシナリオ面。とにかく主人公がダメだった印象です。
「ブラックエース」の二つ名を持つ悪名高き冒険者という事で同社作品のランスのような傍若無人系主人公は無理でもそれなりに清濁併せ呑むようなキャラクターを期待していたんですがこれがとんでもなかったです。
 一言で言えば正義感に駆られたただの熱血馬鹿。中身大人という事でやや冷めた態度を取っているものの肝心な場面では青臭い正論しか吐かず底の浅さを感じざるを得ません。ダークヒーロー的なキャラクターかと思いきや他人に正義についての説教を始める始末。行動は至って優等生で狡猾さも豪快さも欠片もありません。ブラックエースの設定どこいった。
 その癖何かにつけて「中身は大人」という設定が顔を出し、ヒロイン達との付き合いは一線を引いている印象。なんか少女漫画のライバルキャラにでも居そうなイメージです。戦隊物で言ったらブラック。
 また敵キャラもやたら陳腐だった印象。行動の目的が非常に矮小で尚且ついちいち「悪人になった理由」が用意されていて非常に興ざめでした。理由が無ければ悪人にはならないとでも言わんばかり。
 もっと自分の正義を貫き通すような敵だとスケールも大きくなると思うのですが。

 ストーリーはほぼ完全な一本道。途中ヒロイン毎にルート分岐があるかと思いきや、エンディングまで一切なしで面食らいました。もう少し短くても良いからヒロイン別ルートを作って欲しかったです。

SLGパートに関しても決して褒められた出来では無かったです。
 ペルソナのパクリのようなバインドシステムですが、バインドの数が少ない&使えるバインドの数はさらに少ないとあって戦術性は極めて弱いです。バインドよりアイテムの方が強力ですし。というか、戦術考慮するまでもなく力押しでクリア出来てしまうというのが一番の問題な気もしますが。
 マップは狭い上に種類が少なく高さや向き、地形効果といった概念も無いので非常に単調。
 敵キャラも種類が少なくステージ毎に出てくるユニットの種類もなんでこんなに?って思える程少ないです。同じユニットが複数出てきてそれをなぎ払っていくのが基本イメージ。思考ルーチンも単純でレアアイテムドロップなども無く戦闘は退屈極まりないです。
 例えばタクティクスオウガに登場する死者の宮殿のようにマップの種類が少なくても飽きさせない工夫をする事は出来ると思うのですが、そういった努力が一切なされていません。

 それでありながら二周目も戦闘スキップ&レベル継承不可という事で周回プレイが非常に億劫。いくつか一周目では行けないステージも開放されますが、だからどうしたと言いたくなります。
 一周目はともかく二周目以降のプレイはかなりの苦行になる事請け合い。

 ほぼ唯一褒められるのはグラフィック面でしょうか。個人的には昨今珍しい貧乳ヒロインが出てきたのが嬉しかったり。ヒロインは全員キャラ立っていて良かったと思います。

 前作はそれなりに楽しめたのですが、今作は正直残念な出来と言わざるを得ません。グラフィック面は確かに進化していますが、それ以外の部分が陳腐過ぎます。見掛け倒しという言葉が良く似合う作品です。
 見た目綺麗に越したことはないんですが、それより何よりもっと面白い作品を作って欲しいと思う所存です。



この大空に、翼をひろげて FLIGHT DIARYこの大空に、翼をひろげて FLIGHT DIARY
(2013/01/25)
Windows

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OHP
批評空間の点数:45点

 名前が示す通り「この大空に、翼をひろげて」のFD。
 複数の個別シナリオからなる作品で、アフター&ビフォアーの二つのルートは読む価値があったとは思えない酷い物だったけれど、他のルートは(短さを除けば)優秀。特に佳奈子ルートの出来は素晴らしい出来でした。以下ルート毎の感想。

小鳥ルートアフターストーリー
 一番の感想は「これを今更やるのか?」でした。
 お話としては非常にありきたり。本気で今更感しかありませんでした。
 これをやるなら前作で小鳥の足を治さずに、ここで足が治るまでの過程を描けばよかったんでは無いかと。
 ただでさえ前作、まるで打ち切り間際の漫画の如く唐突に小鳥の足が治った事には違和感を感じていたので。まあ詮無い話ですが。
しかしこの手の「卒業を期に進学か夢を追いかけるかで迷う主人公」ってパターンは非常にありがちなんですが、結論が毎回進学否定に向かうのは何なんですかね?そもそも夢を追いかける事と進学を天秤にかけているのが不思議なんですが。今回の場合も別に進学しながらでも十分目標に向かって進めると思うのですが、進学したらとてつもない遠回りだとでも言いたげ。
 ライターは大学進学を後悔しているのか、それとも逆に進学しなかったからコンプレックスでもあるのか、こうも毎回同じ結論を見せつけられると不思議に思います。
個別点数10点

天音ルートアフター&ビフォアストーリー
 なんか一昔前の少女漫画のような印象でした。いや、そんな少女漫画読んだ事ないんですがなんとなく。
 読んでてこちらが恥ずかしくなるようなお約束展開のオンパレード。いかにもオタク女が書きそうなお話です。ライターがそうなのかは知りませんが。
 正直、蛇足以外の感想を持ちえませんでした。
個別点数20点

佳奈子ルート
 キャラもそんなに好きでは無かったし正直発売前はあまり期待していなかった佳奈子ルートですが、その出来の良さにびっくりしました。間違いなくこの作品随一の出来でしょう。
 佳奈子ってこんないい女なんだとプレイしていて感嘆。とにかくヒロインの魅力を余すこと無く表現出来ている印象です。小鳥と天音の二人がセックスアピールに欠けるきらいがあるので余計佳奈子の魅力が際立っていたとも言えます。
 サブヒロインだったのが非常にもったいなく感じるレベル。本編合わせてもシナリオの出来は白眉だったと思います。
個別点数80点

ほたるルート
 購入の原動力の一つとなったほたるルートですが、佳奈子ルートとは逆にちょっと残念な出来。 
 正直本編のほたるの方が魅力的だったかなあ、と。
 個人的に姉妹間闘争が勃発しなかったのが痛い。もうちょっと主人公をめぐってやりあう二人が見たかったです。
個別点数65点

風戸姉妹シナリオ
 ビバ姉妹丼!
 ……なのは良いのですがなにしろ短い。短すぎる!
 アフターやビフォアー書く位ならこっちにリソース回してくれと言いたくなります。
個別点数70点
 
姫城姉妹シナリオ
 ビバ姉妹丼!
 まさかの姉妹丼二連発。いや、まさかというかサンプルCGで予想は出来たわけですが。
 正直このシナリオが無ければ購入していませんでした。その位素晴らしい。惜しむらくは風戸姉妹と同じく非常に短い点。もっと延々と姉妹丼繰り広げるお話だったら良かったのに。
個別点数80点 

 ほたると姉妹丼に釣られて購入した作品でしたが、その点では満足の行く作品でした。しかも佳奈子ルートと言う嬉しい誤算もありましたし。しかし如何せん短かったのが難点。
 作品の大半はビフォアとアフターが占めていましたからね。そしてその二つが全く評価出来ない時点で作品全体としての評価も辛くなってしまうのが残念なところです。


OHP
批評空間の点数:60点

 話題になっていた同人ゲーという事で安い事もありプレイしてみました。結構な割合怖いもの見たさで。

 この作品、なんといっても特徴はヒロインが「老いる」という事。この一点に尽きます。
 物語は三部構成になっているのですが、それぞれの間に数年単位のラグが発生しているので第一部から第二部、そして第三部へと進むに連れてヒロインが徐々に老化していきます。
 これが意外なほど辛い。
 第一部では愛らしかったヒロインも第二部ではその面影を微かに残すのみとなり、第三部に於いては既に在りし日の美しさは皆無と言って良いくらい。現実では当たり前の老化という現象もその当たり前を本来免除されている二次元のヒロインにおいて突きつけられるとなかなかに心に突き刺さるものがあります。時の流れのなんと残酷な事かと。

 第一部から第二部の間においてヒロインと主人公は疎遠になっており、ほとんど接点が無いまま生活を送るのですが、これもまた、この物語の残酷さの表現ではないかと。
 第二部においてヒロインは第一部とは変わり果てた姿で主人公の前に姿を表します。そこからまた二人の関係は親密になっていくのですが、同時にこうも思うわけです。ああ、もう失われた時間は決して戻らないのだ、と。
 いくらこれから先二人が一緒に居たとしても、過去に二人が離れ離れになっていた時間は決して戻りません。少女の最も美しかった時間、側にいる事が出来なかった事実は足かせとしてこの先永遠に残るのです。これを残酷と言わずしてなんと言うのか。


 本来、二次元ヒロインは老いません。三次元の女性に比べ優っている点は数多彼女達ですが、その中でも最大級のアドバンテージと言えるのがこの点です。どんなに美しくてもやがては老いさらばえていく現実の人間に比べ、金やダイヤモンドと同様の美の永続性を二次元ヒロイン達は手にしているのです。

 にも関わらずこの作品のヒロインはそんな絶対的なアドバンテージを放棄してしまっています。
 徐々に年を取り、その美しさを失っていくヒロイン遠戸枝梨。破滅へと向かい確実に一歩一歩歩んでいく様は、未来においてラグナロクが約束された北欧神話の神々を思い起こさせます。決して逃れ得ぬ終末の顎はその背中にピッタリとまとわりついているのです。

 二人の幼馴染の甘い物語であるはずのストーリー。しかし、本来ならゲームに於いては気にしなくて「老い」という要素を盛り込んだこの作品にはどこか甘いだけではない、薄ら寒さを感じさせます。

「人は誰しも老いる」

そんな当たり前で残酷な現実を、この作品はプレイヤーに突きつけてくるのです。

彼女と俺と恋人と。 初回版彼女と俺と恋人と。 初回版
(2012/12/14)
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OHP
批評空間の点数:95点

 エロゲに限らずアニメ、ラノベなどにおいてハーレム作品の増加が叫ばれている昨今ですが、本当に「ハーレム」と呼べるような作品はほとんど無いというのが個人的な意見だったりします。
 言うまでもなくハーレムとはイスラームにおける後宮の事であり、日本における大奥と類似するものですが、現在巷にあふれている「ハーレム作品」、主人公に好感度MAXの女性複数が群がっているというだけでちっともハーレムを形成しているようには見えません。何せ、ハーレムの存在意義であり肝心要の生殖行動を複数の女性と行う事がほとんどないのですから。
 大抵のハーレム作品におい主人公は自らに向けられる好意に気づかないか、気づいてもスルー。物語終盤において一人の女性を選んだかと思えば他の女性を袖にするといったハーレムの主にあるまじき行動を取ります。
 男性一人に女性複数という形こそハーレムのそれと類似していますが、内実を伴っていないそのいびつな姿は精神的ハーレムとでもいうべきものであり、本来のハーレムからは大きくかけ離れたものであると言えます。
 このようなエセハーレムがもてはやされ、あまつさえ「最近はハーレム作品が多すぎる」だなどとやり玉に上げられる様はハーレム好きとしては許しがたい状況であります。

 そんな状況にあってこの「彼女と俺と恋人と。 」は他のエセハーレム作品とは一線を画する素晴らしい作品であったと言えます。

 この作品、他の一般的な純愛作品と比べるとシナリオが特殊な形をしています。
ヒロインとの出会いと交流、告白からSEXまでは他の作品と同様の流れで進みますが、この作品の場合、この一連に流れはほんのプロローグに過ぎません。
 メインヒロインの綾乃と出会いそして結ばれる。通常の作品のオープニングからエンディングまでをこの作品はダイジェストのような形で一気に進めてしまいます。しかし、そこで話は終わらず、むしろそこから物語は動き出します。
 この作品が描くのはいわば綾乃ルートエンディング後のエピソードとも言えるものです。

 家庭環境から男が複数の恋人を持つことに抵抗の無い綾乃という存在はある意味とても特殊な思考をしているように思えますが、昨今の純愛モノ作品に登場するヒロインに比べると非常に筋の通った考えをしているとも取れます。
 少なくとも私にはそれまで主人公の事が大好きだったのに、主人公が他のヒロイン(それも自分に極々近い人間)を選んだ途端、嫉妬の一つ泣き顔の一つも見せず笑顔で「おめでとう」などと言えるヒロインは感情の一部が欠落しているようにしか思えません。それか、元々主人公の事が大して好きでは無かったか。

 他のヒロインのルートに進んだ場合でも主人公と綾乃の恋人関係は決して解消されず、それどころかルートヒロインを含めた3Pにまで発展するこの作品こそは本来の語彙に近いただし意味でのはハーレムゲーと言えるのではないでしょうか。多少人数が少ないですが。
 
 なし崩し的に複数の女性に手を出す主人公には眉を顰める人もいるかもしれませんが、彼、他の作品の主人公に比べたら至って健全で人間らしい感情の持ち主だと思います。
 多くの場合高校生という設定である主人公とヒロイン(まあ建前は大学生、やってる事は精々中学生ですが)。やりたい盛りの男が他に好きな人がいるからなどという理由で自分に好意を向けてくれてる女性を袖にするのはどう考えても不自然です。他に好きな娘が居たとしても美人に迫られたら多少なりとも心揺れるのが人情というものです。
 3Pバンザイの三人の関係はリアリティが無いと非難されるかもしれませんが、心情的には却ってリアリティにあふれているのではないかと。

以下ヒロイン毎の感想

美萩野 綾乃
 メインヒロインにしてある意味本作の主人公。
 家事万能良妻賢母なテンプレ的優等生ヒロイン。
 これだけ見るとありふれた設定でいかにも埋没してしまいそうなヒロインですが、父親に複数の愛人という特殊な家庭環境で育った為に「主人公に他の恋人が出来ても気にしない」とその一点で他に類を見ない独創的なヒロインに仕上がっています。
 それだけに彼女のルートはやや物足りない感じ。最大にして唯一の特徴が全く生かされないのですから致し方ありません。正直彼女のルートは無くても良かったのではないかと。先に述べたようにこの作品自体彼女のルートみたいなものですしね。
 他のヒロインのルートに進んだ時は彼女が振られるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが決してそんな事は無く。
 この一点だけでも素晴らしい作品だったと言えます。

徳吉 優子
 主人公の幼馴染ポジションのヒロイン。
 主人公がぽっと出のヒロインに掻っ攫われてずっと前から主人公の事が好きだった幼馴染が涙するというのはよく有る展開。
 この作品の場合も、主人公に綾乃という彼女が出来て動揺を隠し切れない彼女ですがルートではめでたく結ばれレッツ3P。彼女の切ない心境と脳天気にも思える綾乃の「三人で付き合えばいいじゃない」発言は良いコントラストでした。
 定番のポジションに定番のキャラ設定でしたが一番好きなヒロインでした。

白兎 つくし
 綾乃の親友で最初は主人公を敵視していたものの次第に……。
 親友である綾乃を奪った憎い奴である主人公とその主人公にベタ惚れの綾乃。二人の間で次第に親友の恋人である主人公に惹かれていくという複雑な心境と葛藤が上手く描かれていてシナリオとしては一番好みでした。
 一つ文句を言うとすればフェラシーンの背景。背景は生活感があった方がエロくて良いと思うんです。

小沢見 千景
 てっきり未亡人だと思ってました。管理人的に考えて。
 実際シナリオは身体を持て余した未亡人が肉欲を求めているようにしか……。いや、目隠しプレイとか大好きなんですけど!

美萩野 小乃花
 綾乃の腹違いの妹。この設定だけでお腹いっぱいだったり。腹違いの姉妹丼って最高にエロいと思います。
 妹と言う事もあって、綾乃が唯一嫉妬らしい感情を見せるルート。まあ結局は収まる所に収まるのですが。
 声のみ出演の二人の父親、もっと掘り下げてみても面白かった気がします。娘二人を同じ男に取られるってどんな心境なんだろ?

松上 すすき
 主人公の妹。
 兄である主人公に見ていてもらわないとおしっこ出来ないって、この設定考えた人は本当に頭おかしいと思います(褒めてます)。そんな二人に面食らいながらもなんとなく受け入れてしまう綾乃はいかにも綾乃って感じですね。
 初回版限定のサブヒロインという位置づけだからなのかどうか、唯一綾乃含めた3Pが無いのが残念でした。
 綾乃に優しくリードされて身体を開くすすきが見たかったのに!


 全体的にテキストは派手なものではないものの良質な出来で読んでいて退屈しませんでした。
 シナリオは全ルートとも大きな山場が無いのが特徴。人によっては物足りないと感じるかもしれませんが、シナリオ収束させるために唐突に事故にあったり、引越し話が出てきたり、許嫁が登場する展開が嫌いな私にとっては減点材料にはなりませんでした。
 無駄かつ冗長なまでに山場を演出する作品が多い中、こういう盛り上がりを抑えた作品珍しいですからね。他にはトノイケダイスケシナリオの作品位しか思い浮かびません。
 残念だったのは全体的にややボリューム不足だった点。ほとんど唯一の欠点と言えます。もう少しボリュームがあれば本当に文句のつけようのない作品でした。

 サウンド面もDuca&安瀬聖という事で文句のつけようがありません。初回版にフルバージョンのOP&ED曲を含んだサントラが附いてくる点も+。
 システム面も必要な機能はひと通り揃っている&ワイド画面対応でストレスを感じる点はありませんでした。

 今までプレイしてきた作品の中でも十指に入る作品でした。これから先、是非こういった設定の作品が増えて欲しいと思います。というか、綾乃のようなヒロインが増えて欲しい。
 以前はFDを作らない方針だったPULLTOPですが、最近解禁されたようなので是非この作品もFDを作って欲しいと思います。その時は是非3Pから進んだ4Pも入れて。


 このイモウトノカタチのどこが糞かと言われると、それはまあ一言で語り尽くせるものではないのですが、大きく二つの理由があります。

 まず一つ目。OHPにてメインヒロインとして紹介されパッケージにもでかでかと描かれ体験版の時点で人気を博していたヒロイン「ミータ」にルートが用意されていない点です。
 ミータのルート、全く無いわけではないのですが、同じくヒロインの一人である真結希とセット扱いにされてしまっており、特に後半は真結希の方に比重が置かれたシナリオ設計となっているため、ミータに期待してプレイしたユーザーには非常に肩透しの内容となっています。
 真結希とミータの3Pなど見るべきところもあるのですがメインヒロインとして紹介されていたヒロインのシナリオとして考えれば批判が集まるのも仕方ないものと言えるでしょう。

 ミータの場合、本来サブヒロインの位置に居るべきなのを無理矢理メインヒロインの位置に持ってきたような不自然さを感じます。真結希シナリオを考えた場合、ミータと切りはずすのは不可能ですからね。本来、真結希ルートの介添えだったミータを(隠しヒロインである真結希は表に出せないので)メインヒロインが三人だと見栄えが悪いので頭数合わせでヒロインに加えたのではないでしょうか。

 真結希の扱いに関してもそうですが、広報という点でイモウトノカタチには違和感を感じます。
 隠しヒロインという事でかパッケージには真結希の姿は影も形もありません。それはそれでいいと思うのですが、イモウトノカタチのサイトには発売前から思いっきり顔出ししているんですよね。扱いぶれすぎだろうと。
 最初からミータではなく真結希をメインヒロインにしておけばこんなに非難もされなかったでしょうに何故そうしなかったのか不思議です。真結希を隠しておきたいというならサイトにも出さないでしょうし。
 
 初動の占める割合の高いエロゲですから隠しヒロインを真っ正直に隠しておくメリットが少なく事前に真結希の顔出しをするのは理解出来ますが、ミータに関しては最初から騙す気満々だったという以外に理由が浮かばないんですよね。

 CUFFSと言えばメインヒロインである瑠璃のルートが存在しない他明らかに未完成の状態で販売に踏み切り、後々対応すると言っておきながら2012年現在未だにきちんとした対応のなされていない「Garde」を送り出した会社ですが、このイモウトノカタチ、ある意味Gardenよりも質の悪い売り方がされていると思います。


 で、個人的にはミータルートが無い点はそこまでマイナスポイントではありません。浮気とか3Pとかまさに俺得展開ですし。
 それより問題だったのはこのイモウトノカタチ、主人公が致命的なまでに残念な人間だという点です。

 エロゲの主人公というと鈍感だったり難聴だったりというのがデフォですが、この作品の主人公の雪人の屑っぷりはそんな次元ではなくはっきりと脳に障碍のあるレベルの行動を繰り返します。
 真結希はナノマシンの暴走で脳以外の全身の神経をズタズタにされたという設定でしたが、雪人の場合は真結希とは逆に脳の神経をナノマシンで壊されたんじゃないかと。
 
 この雪人という主人公とにかく他人の気持ちを全く考えない極端に自己中心的な人間として描かれています。
 基本的に考えて行動すると言う事ができず、しかも他人の意見になかなか耳を傾けられない。周りが冷静な意見をぶつけても感情が先走って怒鳴り返したりする事も屡々。行動の全てが後先を考えないものでしかも他人の感情を一顧だにしない。自分が良ければ後は何も関係ないという思考でとにかく質が悪いです。
 口では散々妹を大切にしている風に語りながらいざとなれば自分の感情を優先して、妹を危険な目にあわせる事に全く躊躇いがありません。というか、真結希に対する行動は完全に殺人未遂。

 
 シナリオに関しても決してほめられるものではありませんでした。
 設定自体は面白そうだったんですが、広げた風呂敷が大きすぎて完全に手に余っています。災害に関しての部分は矛盾点が多すぎますし、どのルートでもラスト附近の適当っぷりが目に余ります。誤字脱字は言うに及ばず、寝ぼけながら書いたのかそれとも酔っ払っていたのか全くの意味不明とも言える文章も散見する始末。
 アニメ化したヨスガノソラのお陰で注目も集めた作品だったでしょうに、買ってくれたユーザーに見事に後足で砂をかけてくれました。

 以下、ヒロイン毎に感想と言う名の愚痴


美馬千毬

 後から思えば千毬を最初にクリアしていて本当に良かったと思います。もし他のヒロインをクリアした後だったら決してプレイしようと思わなかったでしょう。それくらい他ルートでの千毬のウザさ、不快さは抜きん出ています。
 病気の千毬を抱えて病院に走るシーン、プレイした時は「馬鹿か、せめてタクシー呼べや」と雪人の馬鹿っぷりに辟易したものですが、今ならそんな感傷も抱けないかもしれません。
 さて、このルート(に限らないのが悲しいですが)とにかくクライマックスが適当適当アンド適当。
 別に大地震があって地形が変わったわけでもないのに雪人がちょっと探したら見つけられた出入口が十五年もの間誰にも見つけられなかったという不思議。救助隊その他一体何を探していたんでしょうか。
 その中に十五年潜んでいた千毬の両親。十五年前はほんの子供だったはずの千毬と雪人をひと目で見ぬくという超人的な洞察力はともかくとして「償い」とか言いながら引きこもっておいてその癖雪人の説得によりあっさり地上へ。そして何故か入院。外との出入りは自由っぽかったし居たって元気に見えたんだけど何故入院なのか。というか結局「償い」とはなんだったのか最後まで明言されない始末。
 どうでもいいですが、この再開の場面でも雪人の知障っぷりが如実に出ていますね。明確な証拠もなく勝手に千毬を実の妹だと思い込み、それを覆す証拠が目の前に現れたのになかなか理解しようとしない。馬鹿そのものの主人公は非常に不愉快でした。
 千毬とHに及ぶ際の雪人の思考もなかなか電波。

 千毬を本当の妹にするよ→SEX

 うん、意味わからん。グダグダ言ってHする事に理由を求めてもったいぶるくらいならHする理由なんて「そこに穴があるから」だけで良いと強く思いました。


澄稀あやか

 このルートの主人公は他のルートよりも大分まとも。ルート自体の出来も最高レベルです。他の作品と比べなければの話ではありますが。
 ミスリードなのかなんなのか。あやかが自分が養子だと知る件はちょっと予想外でした。いやお前、自分が養子だって知らなかったのかよと。
 ちらちらとあやかが両親の実の娘ではないっぽい描写があったのでそれをあやかが知らなかった事は驚きでした。ミスリードだったのかもしれませんが、意味あるのか、これ。おかげであやかが養子だって知ってもなんの驚きも感じられなかったですし。
 このルートは順也もさる事ながらとにかく千毬(おまけで晴哉も)のウザさが半端無かったです。
 あやかは度々いじられキャラなどと表現されていますが、いじられているのではなくいじめられているの間違いじゃね?と突っ込みたい事多々ありました。
 特にあやかが金銭的に困窮している際に千毬と晴哉が無理矢理タカっていったのは本気で不愉快でした。何故あそこで一発ぶん殴らなかったのかと。
 晴哉って主人公達の友人面していますが、ただの嫌な奴なんですよね、ゲームをプレイしていると。もうちょっと良い奴として描写してやれよと思いました。
 あと寮長も地味に酷かったですね。あやかが困っている際に杓子定規な答えに終始し融通がきかないというのは。例えばこれが学園の教師などならまだいいですが、一学生がする事となると自分の身可愛さという印象で感じ悪かったです。あやかを宿泊させることのリスクがそこまで高いようには見えませんでしたし。結果としてあやかが危険な目に合っていたというのも拍車を掛けます。抜きゲだったら確実に陵辱パターンですよ(ぇ

 他のルートに比べれば綺麗に終わっていますが、気になったのはこのルートのライター、物凄く間のとり方が下手な点。順也に出生の秘密をばらすシーンなんかがそうですが、折角の盛り上がるシーンなのに演出も使わず淡々と描写しちゃってるからイマイチ盛り上がりに欠けてしまっている印象です。ライターの責任ではないのかもしれませんが。
 あのシーン自体微妙といえば微妙だったんですが、雪人はあやかの意思を尊重するのかしないのかどっちなんだよと。

瀬名美優樹
 
 なんか色々酷くて辛いルートでした。ここまで我慢していや未読スキップを解禁にしてしまう程度に。
 このルートでも寮長が嫌な奴で印象に残りました。
 図書館で調べ物をする件、他人の悪意のない行動を制限してまで被災者に配慮する必要があるのかなあ、と。まるで被災者である事を振りかざしているようで不愉快でした。
 阪神大震災の被災者には結構な数話す機会がありましたが十五年立たずともここまで尊大に振る舞う人は皆無でしたし。
 親善大使の件はもはや何といっていいのか。
 ここでも寮長が支離滅裂で訳のわからん理屈をこねていましたね。そんなに被災者である事を傘に着たいのかと。そして二人三脚なのり抱っこして走るのはルールとしてどうなのかと。
 最後は打ち切りエンド?
 ここから真結希シナリオに繋げて姉妹丼だったら良かったのに!とちょっと思いました。双子なのに3P無いとか邪道もいいとこです。


ミータ&真結希

 途中までは良い出来だと思ったんですがね。終わっていれば雪人のキチガイっぷりが一番発揮されたルートだったという。
 真結希は中の人の演技も相まって非常に可愛かったし、ミータもいい味出してたしとキャラで言えば一番良かったルートなだけに残念でなりません。
 嵐の中自分のエゴの為だけに美優樹を危険な目に遭わせたかと思えば今度は治療中の真結希無理矢理連れ出すとかもう馬鹿以下の何かとしか思えません。
 状況から考えて点滴の類がしてあったと思うんですが、ちゃんと針抜いたんだろうなあ、おい?
 最後は唐突に出てきたナノマシンなんて設定で奇跡よろしく万事解決とか、もう考える事を放棄したとしか。演出なんかから感動させようとしていたのは分かるのですが、もう完全に白けながら見るより他にありませんでした。
 いや、結局ミータを拉致った連中は何だったんだよとか、雪人質の両親の研究とミータとの関連性はとか、そもそも土砂が押し流した&堆積したはずなのにどうしてタイムカプセルがその場から発見出来るんだよとか考える事を放棄しないといけないのはプレイヤー側なのかもしれませんが。

 唯一評価出来る点はミータと真結希を両方愛する選択をした事でしょうか。シナリオの都合と言ってしまえばそれまでですが。
 エロゲで浮気とか二股って非常にレアですからね。ここだけはイモウトノカタチをプレイして良かったと素直に言えます。二人とも可愛いし。
 特に真結希は腹黒っぷりが素敵。好きだった男が他の女とくっついても「おめでとう」なんて言えてしまうヒロインばかりのなか真結希みたいなヒロインが居るとホッとします。そう言えば、美優樹は蹴落としてミータはOKなのもやっぱミータに対する自分は人間だという優越感からなんでしょうかね。



 散々言って来ましたが、音楽面は非常に素晴らしい作品でした。予約特典でOP&ED曲のフルバージョンの入ったマキシシングルが、初回限定版にはサントラが同梱されているので三千円前後まで中古価格が暴落した現在。CDのオマケにゲームが附いてくると考えればなかなかコスパの良い商品かもしれません。




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