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サツコイ~悠久なる恋の歌~サツコイ~悠久なる恋の歌~
(2014/08/29)
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OHP
批評空間の点数:30点


 とにかくご都合主義という印象が強い作品でした。
 と言うと、首を傾げる人も多いかもしれません。一般にご都合主義と言うと、ラスト付近の強引な展開や安易な奇跡によって死ぬはずだったヒロインや主人公が生き延びる展開が連想され、そういった観点から言えばラストシナリオに当たる悠ルートで主人公がきっちり死亡するこの作品はご都合主義に流されなかった作品と言えるのでしょう。
 では何故この作品がご都合主義と感じたのかというと、それは物語の主軸でもある人魚という設定そのものにありました。

 人間の姿形をしながら人間よりはるかに長い寿命を持ち強靭な戦闘力と回復力を持つ人魚という存在。
 ぶっちゃけ何処にでも転がっているありがちな設定です。足生えてるし鱗も無いのに何故人魚?何処が人魚?という疑問はありましたが。吸血鬼だとありがちだから無理やり変化球投げた感じでしょうか。
 で、ありがちじゃない設定が幾つか。人魚は必ず雌雄一対で生まれますが、それは雄は雌が成魚になるための栄養で最初から雌に食われる運命にあるというのです。雄は食われる為の存在であるからして雌のように長生きは出来ず、また雌も雄を食わなければ衰弱して死んでしまう。また人魚は近親相姦で子孫を残すのが普通で雌は雄を捕食する前に雄と後尾をするのだという。
 で、そんな人魚の雄に生まれた主人公。そして主人公を食う事になる対の雌がヒロインである悠。

 いやもう、この時点でご都合主義以外の何物でも無いと思うのですよ。最初から悲劇・悲恋を描きやすいように全てがお膳立てされているという。それもシナリオの展開などではなく、最初からある設定によって。これがご都合主義でなくてなんなのか。

 で、人魚である主人公は本能に従い、妹である悠を守り、悠と愛しあい、悠に食われ物語は終わっていくわけです。
 ぶっちゃけ何のひねりもありません。この設定からどういう風に話を広げていくのかと思っていたら何の広がりもなくそのまま終わってしまうのです。逆に吃驚です。もうちょっと頭使ってシナリオ書けや。

 この作品、
 
【愛する者のために死ねますか――?】

 というキャッチコピーが附いていますが、考えれ見ればこれも滑稽な話で愛するもクソもその感情自体本能的なものだと説明されてしまっているんですよね。ただ本能に従って愛し、本能に従って死んだだけでだからどうした。としか。
 主人公達の母であるイズナは愛され守られる筈であった兄から愛されも守られもしなかったと独白し、その兄を最低な男だったと切って捨てています。
 この作品ではほとんど唯一何のフォローもされず悪人に仕立て上げられている彼ですが、同時に唯一人魚の本能に抗ったという意味で一番理性的な人魚だったのかもしれません。むしろ彼のような人魚を主人公にした方が面白い作品が書けたんじゃないかと。
 しかし、妹を守るのも愛するのも食らわれるのも全て本能だと説明されているのにそれに抗われるって、そんな事やられたイズナは確かに人格ネジ曲がっても仕方ないですね。例えるならヤりたい盛りの思春期の男子中学生に裸で迫ったのにちんこぴくりとも動かなかったって事ですからね。そりゃあプライドズタズタになるってもんです。兄が最低な男だってのは実はイズナがそう思い込みたいだけなんじゃないかなあ、なんて。「あいつが勃たなかったのは私見魅力が無いからではなくてあいつがインポなだけ」みたいな。


閑話休題


 上記のような設定上の問題は横に置いても全体的に色々陳腐な部分の目立つ作品でした。
 特に作品のクライマックスに当たる悠ルートのラスト部分が酷い。締め切りが迫っていて考える事を放棄した末のシナリオだったと言われたら素直に納得するレベルの出来です。
 イズナに襲撃予告をされているというのに悠に言われただけであっさり悠から離れ一人で外を出歩きあっさりイズナに拉致される主人公。
 イズナの存在を知っているにも関わらず主人公がイズナに襲われたという考えに至る事が出来ず主人公を捜索するでもなく、悠に歌を歌う事だけを強要する瑠璃。
 ラストの展開に持っていくための措置だという事はわかりますが、強引過ぎて登場人物を馬鹿以外の何者でもなくしてしまうのは如何なものかと。
 こんな強引な展開の後に感動話持って来られても白けることこの上ないです。

 またキャラクターの造形もかなり陳腐。というか、バカの一つ覚えのような印象です。
 主人公に常日頃から虐待を加え、物語冒頭では刃物で刺すに至った義父。
 そこまでしておきながら実は不器用なだけでした、主人公の為にお金貯めてました。実は良い人でした。……って馬鹿か!
 まだ酔っ払った時にだけ人格豹変するっていうなら百歩譲って分からないでもないですが、日頃から屑で親戚一同から総スカン食らっているような人間が最期にちょっと良い人っぽい事したからってあっさり許されるような展開は到底受け入れられるものではありませんでした。
 家族からの愛に飢えていた主人公だからこそその取ってつけたような愛情に縋り付いた。という見方も出来ますが所詮それは砂漠で飲む泥水のような物に過ぎず、傍から見れば泥水喜んで啜っているような人間はやはりどこかおかしいと言わざるを得ないのです。

 前述の主人公達の母親、イズナに関しても似たような印象です。
 悠久の時を生き、自分で産んだ子供を食らうという蛮行を繰り返し、主人公達も取って食おうとしていやイズナでしたが、最後に主人公に自分の過去を言い当てられると愛されるべき兄に愛されなかったかつての自分を独白、一転して狂人から可哀想キャラにクラスチェンジです。そしてやっぱり主人公とあっさり和解(?)。食おうとしていた主人公達をそのままに姿を消します。いやそれもうさっき事やったから!
 義父と実母違う二人で同じ展開。物語の主題に違う角度からスポットを当てたと言えば聞こえは良いですが正直うんざりでした。なにせ二人に加え主人公の親友であり主人公を殺して妹に食わそうとした司まで最後唐突に現れ「実は良い人でした」の展開でしたからね。いい加減うんざりです。
 
 そんなわけで、重い設定と主人公が死んで終了というハッピーエンドとは言いがたい結末の作品の割に途中の展開が陳腐過ぎて、恐ろしいくらい印象に残らない作品でした。ああ、直の中の人の演技だけは非常に印象的でしたが。下手過ぎて。

 正直このライターにこのテーマと設定は荷が重すぎたのではないかと。
 ヒロインのキャラクターや序盤の日常シーンは悪くなかっただけに単純に兄と妹の恋愛と主題に据えたいちゃラブ話にでもしておけばそれなりに面白い作品に仕上がったのではないかと思うと勿体ない作品ではありました。
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