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 印象としては堅実、もしくは無難に作られたという感じの作品でした。

 音楽、CGなどのクオリティは高いものの、シナリオは起伏に乏しく目新しい点も無し。どちらかと言えばキャラクター主導型の作品です。
 ただ、テキストの質は悪くなく極端にご都合主義的な展開やトンデモ設定などもないので、キャラゲー若しくは萌えゲーとして見ればハイレベルな作品であるとも言えます。逆に言えばシナリオに期待して購入した場合には肩透かしを食らう可能性が高いですが。
 メインヒロインに関しては腹違いの姉という設定もあり、それなりに見られるシナリオになっていますが、他の三人のシナリオに関しては下手をすると「どこかで見た話」という印象を与えかねないものでした。王道的な展開で安心して見えるといえば聞こえはいいですが。
 一つだけ、すべてのルートにおいて他の男の影をちらつかせているのは幾分特徴的でした。「精神的NTR」などというわけの分からない言葉が生み出されるほどに処女崇拝の盛んなこの業界においては勇気のある行為なのかもしれません。と言っても、一線を超えさせない辺りきちんと空気は読んでいたようです。比較的評価の高い本作ですが、もしこの辺りの加減を間違えていたらこの作品に対する評価は全く違ったものになっていただろう事は想像に難くありません。


以下ちょっとだけネタばれ


 特に文句をつける所の無い作品ですが一つだけ気になったのがサッカー部の監督の存在でした。
 とにかく存在自体が不愉快。私としてはサッカーという要素自体不要だったと思うのですがその中でもこいつの存在は際立って悪目立ちしていました。その理由としては大きくわけて二つあります。
 まず一つは人間性そのものの程度が低い事。
 サッカー部内で横行していたいじめ。それを見かねリンチを止めるために往来で上級生に暴行を振るった事が原因で宗介には退部処分が下されるわけですが、この件に対して監督は宗介に対しいけしゃあしゃあと言い放ちます。いじめと止めるためとはいえ殴る事は無かった。殴ったのはお前が殴りたかっただけだと。

 お前が言うなとしか言いようがありません。

 他の部員が言うならまだ分かります。しかし、仮にも部員を監督し指導する立場にあった人間がいじめを放置していた自分の事を棚に上げ一体何を偉そうに語っているのかと。また、暴行を行っていた三年生部員は土下座して謝っても復帰を許さなかった等の事も言っていますが一番肝心の自分が何にも責任を取っていない以上トカゲの尻尾切りとして部員を利用したというだけでしかありません。
 口先だけで監督として大した実績があるわけでも無く尊大で人間的にも最低。スポーツ漫画の中盤辺りに出てきそうな悪役キャラです。
 で、それだけならまだいいのですが、それ以上に問題なのがこの監督が悪役ではなく「いい人」として作中描写されている事です。
 客観的に見た場合ただのろくでなしでしかない監督ですが、何故か宗介達は監督に対し一定以上の敬意を表し最後取って附けたように監督が宗介の事を案じていたことが提示されます。
 何故そんな事をする必要があったのか正直理解しかねます。前述のように実際には監督はとても人格者といえるような人間ではないですし、最後までその事に対するフォローなどないのですから。監督の実像と作中での評価の大きな齟齬はこの作品をプレイする上で非常に大きなストレスとなりました。
 別に悪役が悪いというのではありません。きちんと監督を悪役として配置していれば、例えば理香子ルートに於いて他校へ転校した宗介が監督を最後に倒して大団円という形にする事も出来たでしょうし。(転校した時点で私は両者が県大会決勝で激突し、自分を首にした元母校の全国大会初出場の夢を宗介が打ち砕くものとばっかり……)しかし、実際には監督を中途半端に良い人にしようとしたせいでカタルシスも何もあったものではありません。お約束でも何でも最後に一発ぶん殴らせろと。そんな王道を忌避した故に、「実は良い人でした」という展開にしたのかもしれませんが、ただただ陳腐な展開でしかありませんでした。ただでさえ、王道というのは多くの支持を得たからこその王道なのですから。

 元々夏子と監督の二人はわざとプレイヤーに不快感を感じさせるように描写されていたと思われますが、夏子のずぼらさやネグレクトが宗介と理香子の関係を夏子が許容する伏線になっていたのに対し、監督のそれは全く必要のない不快感だったように思えてなりません。
 「夏ノ雨」という作品の中に咲いた一輪の徒花。そう表現するにはかの人物は些か醜悪に過ぎるのでしょうが。


 シナリオ的には特筆すべきものが無い本作ですが、理香子と夏子の関係に関しては上手く作られていたと感心しました。
 夏子にとって理香子は夫の浮気相手の娘、いわゆる不義の子です。むしろ浮気相手ならいい方で理香子と宗介が同学年の姉弟である事、理香子の母親とは昔から付き合っていた事などを考えると結婚こそしているものの夏子の方が夫にとって二番目の女であった可能性は少なくありません。夫は浮気あいての元へ逃げて行ったのではなく帰って行ったのではないかと。
 そんな女を引き取っただけでも理解し兼ねますが、挙句の果てその恩を仇で返すように理香子と宗介は異母姉弟という現代日本では禁忌とされている関係でありながら結ばれてしまいます。しかも、夏子の立場からすれば夫を奪われた挙句その女の娘に今度は息子まで奪われた格好になるわけで。
 そんな、普通なら絶対に許容出来ないであろう二人の関係を夏子が黙認する原因となったのが宗介達兄妹に対する過去のネグレクトへの罪悪感なのですから皮肉と言うべきなのか因果応報と言うべきなのか。宗介に対して母親を演じる事が出来なかったという強烈な負い目があるからこそ、母親として宗介に正論を説く事が出来ないのでしょう。
 過去へのわだかまりがあるからこそ、わだかまりなく接することが出来る二人の関係。それは砂上の楼閣のように不安定ですが、だからこそ成り立っている不思議なものに思えてなりません。

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