OHP批評空間の点数:35点
SkyFish pocoの作品は回を重ねれば重ねる程に酷い出来になっていってるんですが、これなにかの実験でもしてるんですかね?絵だけのクソゲーにユーザーは何処までついてこれるかとかそんな感じの。
ある程度覚悟はしていましたがとにかく酷いの一言でした。シナリオライターの顔ぶれがヤバそうだったので心配していたんですがシナリオを吟味する以前の問題だったので逆に気にならなかったという皮肉。いや、酷い事は酷いんですが。なんというか、面白いだとか面白くないだとかそんな事を論じるレベルにまで作品が達していません。
何から書いていけば良いのか。
まずこのわんにゃんアラモード、ヒロイン選択型の作品なんですが、最初の選択で選んだヒロインと即セックスします。全員。
デートとか告白とかキスとかそういうイベント全てすっ飛ばしていきなりセックスです。ヒロインに身体の関係迫られて「ま、いっか」くらいの軽いノリで。いやまあ、童貞の癖に変に紳士ぶって拒否するよりはマシかもしれませんがそれでも程度ってものがあると思うのです。しかもヤるだけヤッて彼女彼氏になったりはしません。ほんとヤるだけ。恋人同士になるのは物語の最終盤です。全員。
そんな感じで取り敢えずビールみたいな気軽さでセックスする主人公とヒロインですが、この作品、選択したヒロインの個別ルートと共通ルートが交互に進んでいく形式の為、シナリオ的に色々と齟齬が生じちゃってるんですよね。個別ルートでセックスを済ませているのに共通ルートに入るとそんな事無かったかのように会話したり恥じらったり。
しかも挿入されるイベントも色々おかしくて、例えば初エッチで経験豊富だと見栄を張っていたヒロインが処女だとバレる、みたいな会話があるんですが、その後のイベントでそのヒロインが私は経験豊富だからパイズリくらい慣れてるみたいな台詞を言ったりする。これ、多分イベントの順番が当初の予定と逆になっていると思われます。
また、猫が行方不明になって主人公が探すんだけど実は猫は何処にも逃げていなくて元の場所に居た。なんてイベントがあるんですが、このイベント二回出てくるんですよね。共通と個別で一回づつ。細部が違うだけで全く同じ展開。これは多分別のライターが同じ事イベント考えたんだと想像。
他にも自分の気持ちに気づき始めて悩んでいたと思ったらそれとは別のヒロインにフェラしてもらったり、CGも何もなくいきなりルート外ヒロイン(処女)とセックスし始めたと思ったらルートヒロイン(処女)も混ざって3P始めたりと前後の展開と辻褄があわないような箇所が山程出てきます。
テキスト自体も出来は非常に悪いのですが、それ以上にPの位置に居る人間がまともに仕事をしておらず、複数居るシナリオライター間ですり合わせ等がろくに出来ていない結果このような自体になったのではないかと推察されます。
それなのにこの作品変な部分で攻略を面倒くさくしていて、全てのイベントを埋めるには一人だけを追っていっても駄目で浮気をする必要があるんですよね。そうしないとHシーンが全て埋まらない。
と言っても、浮気をしたからって3Pや修羅場といった展開があるわけでもなくなんでこんなシステムにしたのかイマイチ良くわかりません。間に入れる共通イベント足りなくてこんな形にしたんじゃあるまいな?
まあ、制作進行があまり計画的に行っていなかったであろう事は犬猫のあつかいなんかからもなんとなく察せられます。
タイトルに「わんにゃん」と入っているだけあって犬や猫が色々出てきます。ヒロイン全員にそれぞれ犬か猫がパートナーのようについていてそれぞれ立ち絵と声、ユーザーに募集して附けた名前もあります。
と、結構凝っているこの犬猫達ですが作品内での登場シーンは驚くほど少ないです。場合によっては最初の紹介以後全く登場しないなんて事も。うん、ユーザーに募集してた名前決まってからでないとシナリオも音声の収録も出来ないからね仕方ないね。いや、もうちょっと計画的にやれと。せっかく犬猫全面に出して作品アピールしてるのにそいつら本編にろくに出てこないってどういう事やねん。
という事でシナリオは支離滅裂、ヒロインはキャラが薄く即セックスでデートもイチャラブもろくに無い。で、じゃあエロメインの作品なのかというとこれも違って。主人公が早漏過ぎてHシーンは極端に短い為抜きゲーとしても及第点は付けられそうにありません。
進め方によっては全員とセックス出来て浮気しないと埋められないイベントもあるのにハーレムルートのような物も無し。取ってつけたような4PのCGは二枚だけありましたが。3Pも中途半端なものが一つあるだけでシチュエーションも淡白でエロ重視とも言い難い出来。
と、色々問題点を挙げてきましたがじゃあ逆に何かこの作品の良いところを探そうかと思えば、絵に関してはたまにおかしい所もあるものの及第点だったと思います。ヒロインがきちんと下着を履き替えていたのは好印象。女性原画家だけあって細部もきちんと描かれていましたし。うん、そのくらいですね、良かった点。
という事で、シナリオゲーとしてもキャラゲーとしても抜きゲーとしても論じるに値しないレベルの本作、絵が気に入ったからといって安易に手を出すと痛い目にあうので十分にご注意を。千円未満なら画集として買っても良いかなあ?くらいの内容です。