OHP
批評空間の点数:70点
「人はなぜClochetteに熱中するのか?」──それには、あらゆる分析を上まわる一つの明快な解答がある。少なくとも私の場合。私は、おっぱいが好きなのである。
既に巨乳ブランドとしての地位を確立した感のあるClochetteですが、初めてせせなやうを原画に迎えた今作ではそのブランド最大の特徴である巨乳が過去作に比べスケールダウン。といっても十分に巨乳まみれな気がしますが「おっぱいのサイズが物足りない」という理由で購入を躊躇しているユーザーも散見されました。完全に感覚が狂っています。
それもこれもClochetteの巨乳に慣らされてしまった所為だとするならなんという皮肉。ClochetteのせいでClochetteの新作に満足できなくなるとは!
閑話休題
今までのClochette作品と同様、SFチックな舞台設定の本作ですが、違和感があったのが主人公達が本来暮らす未来の世界の設定。
スケジュールは分刻みで決められ無駄な事は一切せず、極端な成果主義が蔓延り出生率の低下からほとんどの人間は人工的な手段で産まれてくるという世界。悪い意味で今の日本社会が完成されたかのような世界と作中で語られています。
はっきり言ってディストピア以外の何物でもないと感じられるのですが、作中の登場人物達はそうは感じられないようで精々主人公のような人によってはちょっと暮らしにくい程度の感想しか抱いていません。
いや別に世界を変えろと言いたいわけじゃないんですが、特に物語に深く関わるわけでもなく(切欠には確かになってはいるのですが)軽く流す設定ならもう少し軽い設定にしてくれたら良かったのに、と。んなヘビーな設定聞かされてサラッと軽く流されても反応に困ります。
蛍塚姉妹ルートで主人公が未来の事を気にかけたり、寿ルートに至っては二人で未来の世界へ移住したり。未来の世界がディストピアにしか見えない立場としては違和感しか無いんですよね。確かに設定上必要な部分はあったのかもしれませんが、もうちょっとなんとかならなかったのかなあ、と。
そんなわりと重い設定の作品ですがストーリー的にはあまりシリアスになる事も無くヒロイン達とのイチャラブがメインとなっており安心して楽しめる内容になっていました。特にいろはルート序盤のイチャラブっぷりは素晴らしかったですね。正しく『いちゃつく』という言葉がピッタリ来るような二人のやり取りは見ていて思わず顔がにやけてしまうようでした。
他のルートも悪くは無かったのですが、やはり未来世界に関わる部分ではどうしても違和感が拭えないのが残念でした。
それともう一つ違和感があったのがセンターヒロインがアリカな事。途中でその事に気づいて結構驚きました。てっきりいろはがセンターヒロインだと思っていたので。
キャラの立ち位置的にもストーリー的にもどう見てもアリカよりいろはの方がセンターヒロインっぽいんですよね。なのに何故アリカが、ってずっと不思議だったんですがいろはの裸の立ち絵が表示されてふと気付きました。
……もしかしていろはだとセンターヒロインになるにはおっぱいのサイズが足りなかったのか。