OHP批評空間の点数:88点
正直言って粗だらけの作品です。
まずCGがパッチ入れても69枚とフルプライスゲーとしてはかなり少ないです。普通フルプライスというと80枚以上がデフォ。サノバウィッチで92枚、ゆきこいめるとで85枚あります。むしろミドルプライスの隠恋ぼが60枚なのでミドルプライスから数えた方が近いです。原画家は複数なのになんでこんなに少ないのか不思議。単に経費削減の結果でしょうか。
文章自体もかなり問題があってまず非常に面倒くさい仕様になっています。設定的に仕方ない部分もありますがほぼ変わらない文章をスキップも出来ずなんども読まされるのはわりと苦痛。本当なら強制スキップしてしまいたいのですが微妙にテキストを変えているのでややこしい。変わらない部分はスキップ出来るようにして変わった部分だけそうと分かるようにすれば良かったのにと思います。
シナリオも物語の根幹をなす部分の謎が解決されずそのまま放置されて終わるのでイマイチすっきりとしません。またキーパーソンである唯月の存在も終盤までほとんど明かされない&終盤出てきてもきちんと説明されません。まあそれはそれで良いのですがこの扱いだったらOHPで顔出しせずに秘匿しろよと。マーケティング的に美味しくないからそうしなかったんでしょうが。
と、色々文句を言いたくなる作品でしたが一つだけ手放しで賞賛したくなる部分があってそれが3Pです。
このミライカノジョ、普通の作品でいうところの個別ルートというものが存在しません。未来や過去からやってきたヒロインと現代のヒロインの二人をそれぞれ一緒に攻略するスタイルになっていて必然的Hシーンも3Pの占めるウェイトが大きくなっています。結果全ヒロインに3Pシーンが用意されており、3P好きとしては素晴らしいとしかいいようがありません。
また、主人公とヒロインたちは必然的に三角関係となるわけですが、同じ自分と主人公を挟んだ三角関係という特殊な関係に関しても描写がしっかりしていて(少々特殊ではありますが)三角関係を描いたシナリオとして非常に心地よい物に仕上がっています。それぞれのラストに関してもどちらか一方を選ぶような終わり方をしないのも非常に好印象。
最近のエロゲではそもそも三角関係を描いた物自体少なく、またあったとしても非常にシリアス色の強いものがほとんどなのでこの作品のように比較的ライトな雰囲気で三角関係を描いたシナリオというのは珍しく、そういった物を求めていた身としては必然的に評価が高くなってしまいます。
ヒロインに関しても比較的魅力的にかかれています。特に気に入ったのが佳苗(小)。
エロゲヒロインの場合ロリキャラであっても年不相応に精神年齢が高かったり、逆に身体は大人頭脳は子供なパターンだったりする事が多いのですが、この佳苗の場合作中での設定と精神的な年齢が合致していて違和感を感じず非常に魅力的でした。もう一人の『自分』との年齢差が三組の中で一番大きい佳苗ですが、その対比も上手く書かれていたように思います。
と、色々書いてきましたがようするに「3P好きなら買って損はなし。そうでなければただの凡作」という非常に分かりやすい作品だと思います。
いわゆる属性特化作品ですが、3P好きとしてはこういう作品がもっと増えて欲しいと切に願う所存です。
PULLTOP LATTEは彼女と俺と恋人と。も3P作品でしたのでこのままこの路線でいって欲しいですね。