OHP批評空間の点数:45点
名前が示す通り「この大空に、翼をひろげて」のFD。
複数の個別シナリオからなる作品で、アフター&ビフォアーの二つのルートは読む価値があったとは思えない酷い物だったけれど、他のルートは(短さを除けば)優秀。特に佳奈子ルートの出来は素晴らしい出来でした。以下ルート毎の感想。
小鳥ルートアフターストーリー
一番の感想は「これを今更やるのか?」でした。
お話としては非常にありきたり。本気で今更感しかありませんでした。
これをやるなら前作で小鳥の足を治さずに、ここで足が治るまでの過程を描けばよかったんでは無いかと。
ただでさえ前作、まるで打ち切り間際の漫画の如く唐突に小鳥の足が治った事には違和感を感じていたので。まあ詮無い話ですが。
しかしこの手の「卒業を期に進学か夢を追いかけるかで迷う主人公」ってパターンは非常にありがちなんですが、結論が毎回進学否定に向かうのは何なんですかね?そもそも夢を追いかける事と進学を天秤にかけているのが不思議なんですが。今回の場合も別に進学しながらでも十分目標に向かって進めると思うのですが、進学したらとてつもない遠回りだとでも言いたげ。
ライターは大学進学を後悔しているのか、それとも逆に進学しなかったからコンプレックスでもあるのか、こうも毎回同じ結論を見せつけられると不思議に思います。
個別点数10点
天音ルートアフター&ビフォアストーリー
なんか一昔前の少女漫画のような印象でした。いや、そんな少女漫画読んだ事ないんですがなんとなく。
読んでてこちらが恥ずかしくなるようなお約束展開のオンパレード。いかにもオタク女が書きそうなお話です。ライターがそうなのかは知りませんが。
正直、蛇足以外の感想を持ちえませんでした。
個別点数20点
佳奈子ルート
キャラもそんなに好きでは無かったし正直発売前はあまり期待していなかった佳奈子ルートですが、その出来の良さにびっくりしました。間違いなくこの作品随一の出来でしょう。
佳奈子ってこんないい女なんだとプレイしていて感嘆。とにかくヒロインの魅力を余すこと無く表現出来ている印象です。小鳥と天音の二人がセックスアピールに欠けるきらいがあるので余計佳奈子の魅力が際立っていたとも言えます。
サブヒロインだったのが非常にもったいなく感じるレベル。本編合わせてもシナリオの出来は白眉だったと思います。
個別点数80点
ほたるルート
購入の原動力の一つとなったほたるルートですが、佳奈子ルートとは逆にちょっと残念な出来。
正直本編のほたるの方が魅力的だったかなあ、と。
個人的に姉妹間闘争が勃発しなかったのが痛い。もうちょっと主人公をめぐってやりあう二人が見たかったです。
個別点数65点
風戸姉妹シナリオ
ビバ姉妹丼!
……なのは良いのですがなにしろ短い。短すぎる!
アフターやビフォアー書く位ならこっちにリソース回してくれと言いたくなります。
個別点数70点
姫城姉妹シナリオ
ビバ姉妹丼!
まさかの姉妹丼二連発。いや、まさかというかサンプルCGで予想は出来たわけですが。
正直このシナリオが無ければ購入していませんでした。その位素晴らしい。惜しむらくは風戸姉妹と同じく非常に短い点。もっと延々と姉妹丼繰り広げるお話だったら良かったのに。
個別点数80点
ほたると姉妹丼に釣られて購入した作品でしたが、その点では満足の行く作品でした。しかも佳奈子ルートと言う嬉しい誤算もありましたし。しかし如何せん短かったのが難点。
作品の大半はビフォアとアフターが占めていましたからね。そしてその二つが全く評価出来ない時点で作品全体としての評価も辛くなってしまうのが残念なところです。