よく、女の会話は脱線が多くわけのわからない方向に吹っ飛んでいって男には理解出来ないなどと言いますが、会話ではないものの私にもその傾向がありまして。ちょっと前まで
タユタマをプレイしていたはずの私は何故か一時間後、日本探偵小説全集を読んでいたりしました。
と言うのも、タユタマのゆみなシナリオをプレイ中、
このシーンどっかで見た事あるな
↓
あ、金田一耕助シリーズの「百日紅の下にて」だ
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懐かしいな、ちょっと読んでみよう
って事になりまして。ゲームそっちのけで「百日紅の下にて」他、有名な「本陣殺人事件」「獄門島」が載っている分厚い全集に夢中になっていました。やっぱり横溝正史は面白いです。
ちなみに横溝正史の作品と似ていると思ったのはゆみなシナリオの
Hシーンだったりしますが。
なんで探偵小説にそんなシーンと似通った場面なんて出て来るんだと大抵の人はお思いでしょうがこの「百日紅の下にて」なかなか探偵小説にしておくには勿体無い設定がありまして。
作中に源氏物語を現実でやっちまおうと考えた
素晴らしい男性が出てくるんですよね。女にもてない。でも嫁が欲しい。ならどっかから女の子を貰ってきて自分好みに育てよう、とかいって。
「……十五年の年の秋に由美は初経を見ました。その直後に、私は彼女を自分のものにしたのです」
なんかは横溝作品の中でも一番印象に残っている台詞ですよ。初潮まで我慢したってところがいいですね。
昔のロリコンは今のロリコンより忍耐力があったんでしょうか。
で、この後
「……いちど彼女を自分のものにすると、あとはもう急ぎませんでした。私はおもむろに彼女の肉と心の熟れるのをまっていたのです」
なんて台詞がありまして。この部分とを連想させるような描写がゆみなシナリオにもあったので記憶の中から「百日紅の下にて」が掘り起こされてしまったというわけです。
(ロリに関する記憶力だけは一級品だと自負しております。)
そんなこんなでタユタマ、クリアしました。
批評空間にも久々に感想あげときました。
若干シナリオが短いかと感じたものの全体としてみればなかなかの良作でした。
前作とは打って変わってシナリオはあまり深いところのない(設定は無駄に凝っていたりしますが)ものですがヒロイン他登場人物が誰も彼もキャラが立っていて好印象。 美冬かわいいよ美冬。
各所でボロクソに言われているアメリも私は全然気になりませんでした。むしろなんであんなに批判されているのか不思議なほどで。確かに唯我独尊一撃必殺傍若無人な振る舞いが目立ちますがそれも結局は主人公への愛あればこそですし。失恋が自業自得だったと知った時の姿など最高ですね。
ヤンデレ愛好家の私としてはむしろ作品をプレイして大幅に評価が上がったヒロインだったりします。(アメリは別にヤンデレでは無いですがヒロインの方向性としては似たような部分があると思います)
全体的に萌えゲーのヒロインに比べて人間くさいんですよね、タユタマのヒロインは。萌えゲーの白痴じみたヒロインと比べると特に。
嫉妬や修羅場大好きの私には「楽」以外の感情が欠落したかのようなヒロインより、よっぽどこちらの感情剥き出しにしたヒロインの方が好感持てたのですが世間一般では私のような考え方は少数派らしく。低評価も致し方ないのかもしれません。
上半期は当り作品が二つしかなかったと書きましたがタユタマは下半期初めの当たりといって言いと思います。