再生はがきで古紙割合を偽装
昨今色々と偽装が問題になっていますが、これは別にいいんじゃないでしょうか。古紙の割合が多かったのならともかく少なかったんならかえって品質は高いって事でしょうし。例えて言うなら原画を池上茜が担当していたと思ったら実はみつみ美里が書いていた感じ? 逆なら問題あったんでしょうが。
そして明日の世界より――クリアしました。
以下ネタバレ感想。
シナリオは良くも悪くも健速氏らしい作品だった気がします。
前にも何度か書きましたがシナリオがワンパターン。この作品の中だけでなく同氏の作品である
こなたよりかなたまでや
遥かに仰ぎ、麗しのともほぼ同じ展開というのはさすがに辟易します。
またラストに関しては物凄く無粋だったように感じられました。確かに非常にいいシーンだとは思うのですがだからといってこれを書いてしまう必要は無かったんじゃないのかと。
テキストはかなり酷いです。これはとにかくシーンによって落差が大きすぎます。根本的にこの人は日常シーンやコントじみたシーンを書くのが向いていないんでしょう。序盤のテキストのあまりのつまらなさ、退屈さは異常。ライターとしてみれば世界の崩壊発覚の前と後を両方書きたかったんでしょうがこの出来では序盤はまるまるいらなかったんじゃないかと。最初から隕石の衝突が発覚していて登場人物全員が陰鬱としていた方が健速氏の適正にあっていたように思えます。
序盤以外でもシリアスなシーンはいいんですがキャラクター達が和気藹々としているような箇所は見ていて痛々しいです。健速氏の場合、文章がネクラなんでしょうね。それが明るく振舞おうとするから無理をしているように見えてしまう気がします。
ただヒロインに関しては非常に魅力的に書けていたと思います。特に青葉と御波。
演出は無駄に凝っていました。背景に日の光が差していたり、雲が流れたり。でもそのくせお風呂上りでも髪型が変わっていなかったりしますが。雰囲気を出すという意味ではかなり頑張っていたと思います。ただシステムは微妙。コンフィグ機能はもう少し充実させてほしかったです。
最後に。見も蓋も無いですが、別に隕石がぶつかる必要なかったんじゃないかと、そう感じます。結局健速氏が必要としていたのは世界が終わる事ではなく、終わる世界だったわけで。そういった意味では当初期待していたのとは随分と違う作品でした。
しかしここまでワンパターンなシナリオを見せられると、これから先、健速氏がどういった作品を作っていくのか逆に興味が沸いて来ました。ワンパターンでこの先も通せばそれはそれで凄い事なのかもしれません。