短大生遺体切断事件
「『夢がない』となじられた」事はのこぎりと文化包丁で実の妹の死体を切り刻む動機と成りうるのかどうか? という疑問は誰しも感じた事と思います。
その言葉が図星だった為に殊更怒りを感じた? それとも夢があるようには見えない人間に言われた為? 言われるがままに歯科医への道を志し挙句に挫折しかけた自分への怒り? どんな環境下で言われた台詞だったとしてもその一言だけで妹を殴って絞めて沈めて殺し、四肢を切断するようなエネルギーが発生するとは思えません。だからもしマスコミがこの事件を勉強に疲れた受験生が起こした突発的な事件だとして断定するようなら、それは非常につまらない事だと思います。
三浪中の自分を妹に詰られた事からの犯行。そういった怒りというよりも、私はむしろ兄の妹に対する性と愛情とがこの事件から引き起こしたのだと感じずにはいられません。
三年間妹とは話をしていなかったという兄。殺して解体した妹の死体を(腐臭が漏れるのを承知の上で)捨てるでもなく自室に放置した兄。死体解体に使った文化包丁を洗って元の位置に戻した(妹を切断した包丁で作られる料理を食べようとした)兄。
物言わぬ妹の四肢がピンク色に彩られていたとしても、それは驚くに値しません。むしろ、そうである事が当然のように思えます。
問い詰められ、泣き崩れて自供を始めたと言う兄。その時彼の中によぎったのは逮捕への恐怖? 事件への悔恨? いえ、それよりも自分だけの物になった妹が再び手を離れて行った寂しさだったのではないでしょうか。
追記:なんて事を書いていたらニュースで、「兄は妹の下着を持ち出していた」だそうで。なんだかなあ……。